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2月27日
昨日、某テレビ局のワイドショーで「コシノジュンコ」の家族密着取材をやっていた。
私はみの派なので(最近は牡丹と薔薇を見るため、もっぱらお昼はこのチャンネルなんだけどさ)
この局のワイドショーは全然見ないんだけど、たまたま見てしまった。
それで、なんでこの局のワイドショーを見ないのか、再確認してしまった。
コシノジュンコが大きなショーを抱えていて、その取材なのだけれど、切り口がさあ、
「夫婦円満の秘訣」だとか「ショーの陰には家族の支えあり」とかさ。
息子に「普段のお母さんはどんな?」とか夫に「妻としてのコシノさんはどんな?」とかそんなインタビュー
なのだ。それからお宅拝見してセレブぶりにしびれて、ホームパーティーにもお邪魔する。
これって主婦のニーズ、主婦の興味をそそってるってわけ?
わたしゃあ、ブランドには全然興味なんだけど、ショーの舞台裏とかってすごく面白いじゃない?
やっぱりそこでコシノジュンコが何を求めていて、どう動いて、ショーがどう変化していくかとか見たいんだよね。
その上で、家族がどう関わっていて、互いをどう位置付けているのかってのは面白いかもしれないけど。
そんなのはドキュメンタリー番組に求めろって事なのか。
でもさ、私の勘だけど、主婦層と呼ばれる人たちが、みんなよそ様の台所事情や夫婦関係にしか興味がない
なんて事はないと思うんだよね。「あなたは有名人のこんな事が知りたかったはず」って言う切り口が
かなり気持ち悪るかった。
だいたい、「踊る通販」という宇宙なコーナーでかかる音楽が、kanの「愛は勝つ」って・・・それも見てる
主婦層に合わせてるのか〜?もーなんか、主婦層をバカにしてる〜。
踊って通販しても良いから、あんまり音楽を古くしないで下さい。なんか恥ずかしくなってしまう。
「牡丹と薔薇」は、古い少女漫画のステロタイプ的なモチーフを元にしていると思われ、これもある意味
それを読みかじってきた主婦層をターゲットに作られているものだけれど、受けて側がどう観てるかと言うと
そのリアリティのなさをやり込んじゃっている事に面白さを見出していて、ちょっと斜めに笑いながら
「すげーぷぷぷ」っと観てるんだと思う。だから所謂ゴールデンタイムのドラマをがっぷりよつになって観てる
のとは観方が違っている。ちょっとマニア心をくすぐるところがあるのだろう。
だから、ターゲットは同じでもコシノジュンコの取材とは受ける印象が全然違う。
そうさ、主婦はどんどんマニア化しているのだ。それはこの仕事をしていてもわかる。
もう昔の団地妻のイメージをそのままに生きている女なんてあんまりいないんじゃなかろうか。
まあ、たまに友達が物凄く団地妻的発言をして応えに窮することはあるけど、たぶんそう言う人こそ
「牡丹と薔薇」の斜め観なんてのは出来ない性質で「意味わかんない」かったりするんじゃないかな。
と、「牡丹と薔薇」を観てしまう言い訳をしてみたりする。
まあ、あれも所謂「愛の嵐」「真珠婦人」なんかの二番煎じですけどね。って、意外に観てるじゃねえか。
いやいや実は「真珠婦人」は全然観てない。
ちゃんと勉強してから発言すべきでした。週末借りて観るかな。
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2月25日
すっかりポカポカ陽気になりましたね〜。とはいえ、関東地方ではまだ寒さがぶり返すとのこと。
だいたいお昼のポカポカに比べて夕方から夜は寒い!そうだ、まだ2月なんじゃんな〜と
思い知らされますな。みなさん、体調には充分お気をつけ下さいねん。
春になるというのに、うちのゴムの木(今時ゴムの木とは渋い、と友人に言われ)はがっくり元気がない。
だらら〜んと葉っぱが頭をたれている。やばやば〜こいつ死ぬのでは・・・。
うちは古いアパートなので隙間風など入り、よそ様に比べてちょっと、いやいやかなり寒い。
なので、毎年冬場は元気がないのだが、なんとなく生きてきた。
根が悪いのかと土を変えたり、鉢を大きくしたりと思いつくままに手当てしていたんだけど、長年の間
ま、間違っていたのか、今年はすっかりだらら〜んだ。
そこで、取り木をすることにした。ミニサイズから人生をやり直させよう。
切ってしまうつもりの部分の表皮を数センチはがして、水に浸したミズゴケと言うのを巻きつけ
黒いビニールで覆う。やがて表皮を剥がした部分から根が出る予定。
周知の通りゴムの木は切られた部分から白い液が出てくる。これが表皮周辺で乾いてしまうと水を吸収
しないので、キレイに拭き取ってからミズゴケを巻かなくてはならないのだが、うちのゴムちんったら
もう白い液がちょこっとした出なかった。うう〜ん、これって・・・すでに死んでいるの?
もっと早く不安になってあげればよかった。ごめんよ。
ミズゴケってのを初めて見た。100円均一で売ってた。
昔国語の教科書に、手と道具について文章が載っていたと思う。
チンパンジーが葉っぱをくしゃくしゃにしてスポンジ状にし、木の穴に溜まった水に浸して上手に
飲むと言う記述があった。ミズゴケは苔の死骸らしいのだが、まさに天然のスポンジですんごく水を吸う。
おい、チンパン君、葉っぱよりこれだよこれ、とチンパン君に教えてやりたくなった。
あー、でもジャングルじゃ苔の死骸が乾燥するとこなんてないんだろうね。あったら気付いてるか。
チンパン君こりゃ失礼。
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2月17日
ゲロで風邪が移ったかと思いきや、なんとかなりやした。なんだったんだ!
さて、それは私が研究室に席を置いたまま、派遣のフルタイムで働いていた頃のお話。
当時、小田急線沿線に住んでいた私はラッシュアワーの電車に乗り、代々木上原に向かっていた。
登戸から代々木上原なんてほんの少し。でも、9時直前と言う事もあって車内は超混みこみ。
ドア口付近に立っていた私のお腹辺りには、ランドセルに黄色い交通安全カバーをつけた
ピカピカの一年生君と、その1.2歳上と思われるその子のお姉ちゃん、お姉ちゃんのお友達3人が
立っていた。4月の暖かくなり始めた日で車内はムッとしている。
まだこんなにちっちゃいのに、電車通学とは大変だなあ、と思って彼らを見ていた。
聞くともなしに彼らの話を聞いていると、お姉ちゃんたちがかしましく弟に学校で気をつけなくてはならないこと
や、電車の中で大きな声を出して喋っちゃいけないと事など、いろいろ言い聞かせているところだった。
弟は聞き分けが良くて、元気一杯に「はいっ。わかりましたっ」と答え、「あのねえ、先生がねえ」など、
お姉ちゃんたちに疑問をぶつけたりしていた。その様子が微笑ましくて、ぎゅうぎゅうの車内には珍しく
周りの大人たちから和みのオーラが出ていた。真新しいトレーナーは大好きだと言うドナルドダックが
大きくプリントされたもので、ちょっと男の子にはまだ大きいみたいだ。
3人は小さく小突きあっては笑って、ドアのガラスから街を見ていたが、突然男の子が「僕気持ち悪いみたい」
と言った、と思いきや、ゲロゲロゲロ。ああ、朝ご飯はパンだったんだなあ、なんて寝ぼけた頭でそのゲロを見
ていた私のパンプスにも暖かいものがぼたたたた。しかし、その時足にかかるゲロよりも驚いたのはお姉ちゃん
達の対応だ。あまりにも突然だったそのゲロを、お姉ちゃんはほぼ瞬間的にパッと手で受け止めた。
でも手が小さすぎてゲロを受け止め切れなかったのだ。ドナルドダックも哀れゲロダック。
足元に飛散したゲロを見て今度はお姉ちゃんの相方がすかさず「申し訳ありません、下がってください。
下がってください。すみません、すみません」と周りの大人を手で制した。おずおずと後ずさる大人たち。
「ごめんなさい、僕きゅうに気持ち悪くなったの」と泣く弟に、お姉ちゃんは「具合が悪い時は仕方がないよ、
大丈夫」と手の中のゲロが落ちないように両足で踏ん張って体を揺らさないようにしていた。
「もう少し、次の駅で降りようね」大人達が用意していた言葉は全部お姉ちゃんが言ってしまった。
同じくパンプスを汚されたOLさんが、カバンからティッシュを出すと、自分の足ではなくドナルドダックを
拭いて上げようとした。すると、「汚いですから」と相方がティッシュを受け取り拭き始めた。
そして3人はOLさんに「ありがとうございます」ときちんと挨拶をした。
でも、いくら笑える程しっかりしているとは言え、彼女達もまだまだ小さい低学年なのだ。
しっかりしなくちゃ、って言う気持ちが自分達を支えているだけでその手つきに狼狽が隠しきれない。
私は、自分が弟の姉ちゃんであることもあって、その姉ちゃんの姉ちゃんっぷりに、もう胸がきゅーっと
なってしまって、あわや知らないおばさん(当時はお姉さん)までが泣き出すという訳の解からない状況に
なってしまうところだった。やたら長く感じた急行の一駅。成城学園前で彼らと足元がどろどろになって
しまった大人達は降りて水場に向かった。そこから大人達は早かった。
「もう具合悪くない?具合悪かったら座りなさい」とおばさんが男の子のランドセルを引き剥がし
その場に座らせ、その間におじさんがハンカチを濡らしてドナルドを拭いてやった。
私とOLさんは、汚れた彼らの運動靴をティッシュで拭いた。なんとなく誰もが「よくがんばったね」と言う
気持ちがそこまでさせてしまう。そしてどこかこそばゆい。
お姉ちゃんは「お母さんに電話してきます」と公衆電話まで賭けていった。
お母さんの声を聞いたら、立派な姉ちゃんもたちまち泣いてしまうかもしれない。
自分達の足元を簡単に拭き取ると、大人達は次の電車でおのおの会社に向かうのだった。
「具合悪かったら帰りなさい」とおばさんは乗りがけに声を掛けていた。
「はーい」と答えたその声は、かつての緊張から少しばかり解放されているようだった。
私が恋愛だとか友情だとかなんだかかんだかの「愛」とか、考える時によくこのことを思い出す。
あの姉ちゃんのゲロに手を差し出す速さと、こぼさないように踏ん張っている両足を。
うちの弟が、飲み会で突如彼女がゲロった時に、それを手で受け止めたと言う話を聞いて「やるな〜」と
言ったことがある。「だってしょうがねえじゃんよ」と弟は言うが、お前なかなかいい男じゃないか。
「私に出来るかな、あなたには出来る?」とダーに聞くとお互いに「そうなってみないとわからんね」と
現場を想像して笑ってしまった。なんとなくこれは先に吐いたほうが負けだ。
恋人同士や夫婦はもともと甘い関係から始まっているので、この幻想をぶち壊す現実の汚物というものに
どう立ち向かうか、やはり課題だ。どうしてもダメって言う人に愛がないとは思わないけど、要点は咄嗟に
受け止められるかという事で、受け止めちゃってから改めてそこに向かいゲロくらいしてくれてもいいと思う。
いずれ来る自分の審判の日が楽しみ。いや恐ろしい。
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2月16日
どうも珍しく風邪を引いたのか、節々が痛く悪寒が走っております。
ゲロ話、しばし待たれよ・・・。
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2月13日
お食事前後、真っ最中の方は、ごめんなさい。っつーか、読まない方がいいっす。
先日の建国記念日に、野暮用でお出かけしたダーと私。地下鉄で都内へ。
比較的空いている車内でおもむろに座ると、お向かいは若い夫婦と小学2年生くらいの男の子。
男の子は、何かのキャラクターのシールを持ってトコトコトやたらと車内をうろうろしてる、と思ったら
お母さんの所へ戻り、無言のままゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロ〜〜〜〜〜と、吐いた。
突然の出来事にお父さんは読んでた新聞を差し出す隙もなく、とっさにお母さんが手のひらで
受け止めていたが、それは収まる所を知らず溢れ出て、彼のコートやスニーカーはあっという間に
ゲロまみれ。車内はシーン。
「うろうろしていたのは具合悪かったんだね、身の置き場に困ってたんだね。」と私が言うと、
ダーが「う〜ん、すごい、量だ」と。ほんとに、子供の胃袋にこんなにたくさん食べ物が入るとは。大量大量。
あまりに量が多いので、もうどうすることも出来ないというような絶望感が、お父さんとお母さんの動きを
遅くさせているようだった。ゆっくり二人はゲロの始末に取り掛かるが、どこから手を付けていいものやら。
隣の席の女の子が眉間にしわを寄せて、うつむいていた。すぐに席を移れば冷たい人みたいだし、
かといって無視するには近すぎる事件。心中お察ししますと思っていたら、バッグからティッシュを出して
お母さんに渡して、席を移った。その匂いたるや隣の車両にまでゆうに届くであろうひどさで、平気な顔を
しているのも大変な演技力を必要とされる。彼女は匂いに顔を歪めながら、ティッシュを探していたのだ。
私もビニール袋とか、タオルとか持っていないかしらとカバンを覗いたが、何度覗いてみてもお財布と
携帯しか入っていない。他に何か出来ることはないかな。私達の隣の席に座っていた黒人男性が
席を立って自分のティッシュをお母さんに渡しに行った。みんな無言のまま自分のバッグを覗く。
親子の隣のおばあちゃんもティッシュを発見、お母さんに渡す。
「僕、お腹痛いって言ってたよ」と小さい声で男の子が言った。「ちゃんと言ってよ」とお母さん。
お父さんが新聞紙の上に大量のゲロまみれティッシュを集めている。
またしばらくすると小さな声でお母さんが「気持ち悪いとか、お母さんに何か言ってくれないと
わからないじゃないの、ちゃんと言ってよ」と言った。坊主はまっ黄色い顔で余所見をしていた。
恐らく彼は彼なりに自分と戦っている真っ青中。葛藤中なのだろう。
私自身かなりひどいゲロっ子だったので、彼の気持ちがわからないでもない。
そうこうしてる間にも、電車は各駅に止まり人が出入りし続ける。
入った瞬間に顔を歪めて、人々はその原因を探り親子を認めると静かに車両を変えたり、反応を見られ
ていることに気づいてそのまま空いている席に座ったり。
ティッシュと新聞紙だけで、ずいぶん綺麗に片付けたなあ、という感想を持つほどほぼゲロの除去は
終わり、親子は急いで電車を降りていった。とはいえ、完全清掃ではないため、やはり多少のゲロカスが
ころんころんと転がっていたり、匂いはそのままの状態だ。
勘のいい人はその席の前で「匂うな」と言って去り、運の悪い人はゲロカスの上にカバンを置いた。
私とダーは終点に近いところまで乗っていく予定だったので、歴史が生まれたその瞬間から、
その後その歴史を知らない世代までが感受する「彼の存在」という事件をずっと見守り続けていた。
いぶかしげな人や、匂いにもころんにも無頓着な人や、すべての人にこの歴史を語りたい、と強く思った。
我々が証人となれば、回避できるであろう災難を目の当たりにして、心を痛くしたのだった。
しかし、ここは東京。余計なコンタクトをとっちゃならねえと言うオーラが立ち込める街だ。
東京のバカヤロー!
って、話じゃなくって。
最も早くゲロに対応するよう、新聞紙で形状を作るとしたらどんな形か、とか我々は話し合った。
誰にも起こりうる非常事態に対しての学習は必須だ。
それにしても、あんなに胃袋に食べ物が入るとは驚きだ。それを誰もが持ってすまして暮らしているが
あれだけの匂いを外に漏らすことのない人間の体の構造に改めて感心した。
死ぬってことはその機能がストップすることだから、死体ってのは死んでからの腐敗臭だけじゃなくて
生きていた頃の名残の匂いもぶちまけられて、それはそれはすごい匂いなんだろうなあ、と思った。
一人のゲロで、当事者の対応の仕方とか、人々の反応とか、体の構造とか、風邪の傾向とか
いろんな事を考えさせられたのだった。
車内ゲロを見るたびに、ある忘れなれないゲロの記憶がよみがえる。
そう、それは私がまだ学生OLだった頃の話だ・・・
ゲロ次回に続く
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2月6日
あ〜あ、次から次へとやる事がいっぱい。またもや確定申告の季節がやって来た〜!
なんとかしなくちゃいけない、なんとか〜
結局、下記の友人はそのお化けマンションを購入することにした模様。
お化けが出るかも出ないかもわかんないけど、あの大きさと採光の部屋にはもう出会えないだろうと。
家は人の気を吸うと言う。多少方位やら風水やらで問題があっても、そこで暮らしている人たちが
楽しく毎日を過ごしていると、家はその明るい気を吸って邪を打ち消すとか。
気なぞ見る事の出来ないものでそれはお化けと同じだけど、良い話だけ都合よく頂いてしまうのか
楽しい気が邪気を払うというのは、なんだかうなずいてしまう。
今住んでるここにも引っ越して来たばかりの時にはお化けがいた。らしい。
自称霊感が強いと言う友人が訪ねてきた時、ある場所に違和感があると言われ、また別の日に別の人から
同じ場所がいやだと言われた。そこはお風呂場の前で、霊感のないダーも私も言われる前からなんとなく
そこがひっそりしーんとした感じがしないではなかった。
友人達はそれぞれ「男の人で淋しそうにしてるけど、前からここにいる人だし、悪さをするつもりは
ないようだから無理やり出て行かそうとか、悪く思ったりしないほうが良い」と言っていた。
無理やり出て行かすってあんた、それが出来たら今ごろ私は江原さんか陰陽師さんかだわよ。
で、それを夜中の作業中なんかに思い出してちょっと怖かったりしたんだけど、すぐに慣れちゃって、
時々その人に話し掛けたりしていた。私は一人でいる時に無意識で独り言を言ったりしないのだけど
(してる事に気づかないだけかも知れんが)、お化けでも誰かが聞いていると思うと
なんかちょっと話そうかと思う。サービス精神はいつも旺盛だ。
それから何年もたって、当時違和感を感じていた友人に再びその存在を尋ねると、それぞれの友人が
またそれぞれに「うーん?あ、そう言えばそうだったっけねえ、なんか今は何も感じないね」と言う。
とにかくうちは人の出入りが多く、その度に宴会のような騒ぎなので、酔っ払って誰かが連れて帰ったか
静かにしていたいのに放って置いてくれないから、いやになって出て行っちゃったのか。今はいない。らしい。
別に彼のことを邪気だと思っていたわけじゃいけど、そうやって陰の部分は陽光に押されて
場所をずらして行くのかもしれないね。だから陰陽師さんはインヤン師匠なんだな。
ただ、光りあるところに陰があるというだけに、それらはいつもひとつで、光溢れる場所に出来る影は
深く濃いもの。メキシコのガイコツ祭りを思い出す。
暮らすということは、口あけて笑ってばかりもいられず、瑣末な問題や躓きも同じ様に繰り返される。
それがお化けのせいなのか、自分のせいなのかは知る由もないけど、うまくミックスして暮らすしか
ないように思う。人間くらい業の強い生き物もいないであろうから、生きていた時の悲しみや怨が
残らないとは思いづらい。さて人の営みよ、明るいところに陰が出来るのか、暗闇に光がさすのか、
タマゴが先かニワトリが先か。
哲学の経験主義では、超常現象のように経験出来ない、出来たとしても繰り返し経験出来ない事、
また証明出来ない事象に関しては「保留」って立場をとったらしい。
保留ってなんかイキだよね。それで行くかね。
ま、手に負えなかったらフジテレビに投稿しよ。
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2月1日
御、御、ご無沙汰して、すみません。トップページリニューアルしました!
が、そんなことにこんなに時間がかかるわけもなく・・・。
1月は家によく人が遊びに来て、出掛けたりもして、気が付けば確定申告に手さえつけておらず
リニューアルしたというより、それしか出来なかった、という方が正しい。
きえー、心を入れ替えて働きます。ちょっと長くのんびりしすぎちゃった。
さて、仕事が手につかなかった理由のひとつに、「引越し」があります。家探し、だよ。
あちこちから、どこへ引っ越すつもり?!とメールやお葉書などいただいておりやす。
ありがとうございやす。私はアイラブ南徳なんで、ここいらから遠くへ行くつもりはございやせん。ご安心を。
しかし、心打つ物件にはお財布が追いつかず、多少支払いにゆとりを感じるものはどれも帯に短し襷に長し。
私達自身が決めなくてはならないことなのに、なぜか「あー、早く決まって〜」と言ってしまう毎週末。は〜
家探しには私達以外にも相棒が1人。これから一人暮らしを始めようと言う女友達が、行徳へ引っ越して
来ようかな〜というので、一緒に不動産屋さんを周っているのだが。
先日、私達より一足お先に、彼女の希望にぴったりの物件がやってきた。
内見してみると、良い具合に古く、お日様のたくさん入る開放感のあるお部屋。
駅から激近ではないが、商店街や公園を抜けて歩くので、道すがらが楽しく駅がすごく近く感じる。
すっかり気に入った彼女は予算に見合うまで値を下げて買い付けを入れた。そう、これは賃貸ではない。
買っちゃうのだ。何で買っちゃうかというと、その方が家賃よりずっと安いから。ボロいのは覚悟。
でも、自由にリフォームできて、賃貸物件より広い所に、家賃より安く住めるのは魅力。
ひょっとして底値で買ったのが底値で売れたら家賃もちゃら?なんて夢のような、でも鼻くそレベルの
財テクも考慮に入れ、日当たり、駅近、安価をターゲットに探してきたのだ。
それにしても、家って言うのは面白い。49年築なんて、古くて住めたもんじゃないかと思いきや、59年築より
ずっと綺麗に手が行き届いているものは結構多くて、これ人間もおんなじね、と思ってしまうね。
とんとん拍子に買い付けも成立しておめでとうって言ってた翌日、彼女からメールが入った。
「4、5年前に別の部屋で自殺があったんだって〜。契約前には聞いてない話だから破棄してもいいって、
不動産屋さんは言ってるけど、どうしよう」と。「私は怖くないんだけど、資産価値は下がるよね〜。
いつまで別室の自殺のことを言い続けなくちゃならないんだろうかねえ。」と、大人っぽく悩んでいる。
「ふうん、あんたは怖くないの?それも考えたほうがいいよ」だって住んでから怖くなったらやだもんね。
「自殺だって言うんだから、部屋にずっといるのかな。その人コンビニの帰りとか、階段間違えて上がってくる
かもよ」と言うと「ヤーメーテー!」と叫んでいた。
例の部屋と、彼女の部屋は利用階段が違う。でも内見の日に私達は間違えて、例の(霊の?)部屋側の階段
を上がってしまって引き返したのだった。それを思い出しちゃったんだけど。そう言えば寒い階段だったなあ。
その話をしてる時、彼女は丁度お墓に差し掛かったところを歩いてた。お化けが「うるさい」って言うくらい
「ヤーメーテー!」を繰り返していたけど、かく言う私もお墓の横で響いてる自分のセリフが映像となり、
鳥肌がたった。それも「階段間違えて、上がってくるかもしれないよ」と、そのセリフの部分だけ、言うたんびに
ハウリングが起きて、喋ってる声と同時にイヤホンからも自分の声が聞こえてくるんだもん。
怖いとこだけにエコーかかっちゃう。ぞぞぞ。「家について、電気つけるまで話してて!」
彼女の最初のセリフ「私は大丈夫なんだけど〜」がもはや懐かしい。
結局、その物件は一度手放すことにして、他に良いのが見つからなければ再検討する、と言うことになった。
そのマンションは小さくて全15戸程度。例の部屋は一番遠い部屋で、利用階段も違う。一つ屋根の下では
あるけれど、一戸建ての隣家で自殺があった、と言うより遠い場所での出来事だ。
これが例えば数百戸の大マンションだったらどうだろう。自分の部屋じゃない部屋で自殺が起きようと
お化けが出ようと、あまり人は気にしないのではないだろうか。これだけ多くの人が住んでいれば、
死ぬ人だって当然いるわよ、ってな心理だろうか。それとも人との関わりが薄い分、お化けが出没する
背景もリアリティに欠けてくるって事だろうか。
その部屋を内見した時、やたらトイレやお風呂に手すりが付いているのが目に付いた。
売主さんは遺産相続なので、売れたお金は何人かで分けると言っていた。
つまり、その手すりは、彼らの親御さん、つまりばあちゃん(じいちゃんかも知れん)がその部屋で
亡くなるまで暮らしていたと考えて良かろう。でも、これはあんまり気にならないんだよな。
まあ、ばあちゃん(じいちゃんかも知れん)が、死んだことに気づかずにまだそこにいるかも知れないけど、
あんなに手すりもいっぱい付けてくれてる子供達がいて、きっと幸せだったと勝手に思える。
自殺は、あんまり幸せではしないことだし、現実事実だからなあ。
良い物件だけに、諦めもつかず苦しいところ。
2人のお化けと仲良く暮らせればそれもいいけどね。日当たりの良いお部屋でね。
ままかが4歳になりました!早くも5年目に突入です。
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