ウイアーザワールド 手を繋ぐ商人と商人 第4回 ベトナム編(サパ・バックハー・ハノイ・ホーチミン) |
7月 13日(木)みんな仲良く一列で行こう アジア雑貨屋は夏が勝負。 だってさ、卸元は夏物ばっかり売ってるのは南国だから当たり前じゃん。 冬は懐も寒くなってしまう。だから今はPCに張り付いて売りまくらなくちゃならないのに、何故か買い付け。 ダーのお仕事が忙しくて、この時期を逃すとこの先かなりの長期買い付けに出られないため、 海の日を含めた日程で出かけることになったのだった。海の日を含むと当然航空券は高くなる。 そこで、私は1週間早く出発することにした。せっかく1週間早く行って、ホーチミンでハンちゃんと 遊んでいるのも勿体ないので、ハノイでも買い付けそしてサパまで少数民族に会いに行くのだ。 これがかなりタイトなスケジュールで、やってみるのと思ってるのとでは大違いだった。 今回は何の弾みかうちの優秀コーナー「あじゃきん」で紹介している判子屋まなちゃんが一緒に来たい という事で、一人で飛行機に乗るのが寂しかった私は喜んでお迎えし、その上3番弟子のかにさんまでが 付いて来てくださるという。 これで一人あたま20kgの機内持ち込み割り当て分が3倍に・・・ダーが来たら4倍。 いっひっひっひ。 朝は6:20分に羽田のモノレールの改札で待ち合わせ。3人は順調に関空へ。 お弁当を食べたり、歓談したり旅行さながら(2人にとっては旅行なんだから当たり前か)の和やかなムードの中、 響き渡る場内アナウンス「VN航空○○便にご搭乗予定の田中眞那美様」お弁当を買うときに、 タオルを落としたと言って慌てて取りに戻ったまなちゃんは、そのタオルの下に搭乗券があるのに 気が付いていなかった。 タオルだけ回収して戻ってきたのである。 搭乗10分前に搭乗券が無いことに気が付かない人・・・恐るべし。 危うく大阪でさよならするところであった。 これからは立ち上がったら振り返る運動をしよう、という事になった。 ようやく機内へ。 しかし、ホーチミン到着の際にはみそ汁と梅干しを無くしたと訴えている。 私は多分家の玄関にあると思うぞ。 機内で小分けにした記憶があるので、絶対にそれはない、と言い張る彼女・・・。 ホーチミンで久しぶり!、ハンちゃんが合流。 3番弟子のうにさんが、塾の先生で英語が喋れると紹介してしまったばかりに、張り切ったハンちゃんの舌は いつもより多く巻いてしまい、聞き取りづらいったら。 飛行機を3つも乗りこなしてやっとハノイへ。 書いてしまうとあっさりだが、長かった〜。 ハノイノイバイ空港に到着。 そうそう、ちょっとおトイレにと思って行ってみて驚いた。 そこはかなり田舎の中華風・・・。 ついたて無し、扉無し、ワンフロアーのみで溝に向かっておしっこしてるのである。しかも顔がこっちに向いてる。 トイレの入り口にも扉が無くて、中に入ったらいきなりこの風景なのだ。 おしっこしてる人複数に見つめられる初めての体験。 私もたいがい色んなとこで用を足してきましたが、 航空のトイレでこれに出会えるとは。意気地無しと言わないで・・・諦めました。次はチャレンジしたいと思います。 タクシーに乗って中心街へ。タイに引き続きプールをひっくり返したような雨。 先の見えない高速を走る恐怖と、 さっき見たモノの恐怖と、犬鍋の話で盛りあがる。 ハンちゃんはベトナム人の癖に生春巻きは嫌いだし、 珈琲は頭痛くなるし、犬とか想像しただけで気持ち悪くなるらしい。 それを聞いてまなちゃんはハンちゃんとおなじ物しか食べないことを決意する。 私とかにさんには騙されかねない・・・良い勘してる。 サパへのツアーもホテルもブッキングしていなかったので、 タクシーには直接シンカフェのオフィスに行って貰うが、生憎予約はフル。ちょっと歩いてクイーンカフェへ。 一人32ドルのツアーを取ることが出来た。カフェのお兄ちゃんにお勧めの宿を聞くとシクロを用意してくれて、 そこまで送ってくれた。明るい街から暗闇の中へ走り向かうシクロ。 本当に静かな一角に到着。 しかし、ここは何処ですか?かわいらしい兄弟達が経営するゲストハウス、ツイン一部屋8ドル。 なかなかいい感じだ。食事をしようと外へ出るが、時間も時間だったのでビアホイしかやってない。 それもクローズ寸前。何か口にすると、ほっとするもんである。 まなちゃんがいきなり泣き出した。 それも大きな目からボロボロ涙がこぼれているが嗚咽するというでもない。 「あれれ・・・」という感じで涙が出る。 かなり疲れていたし、不慣れな事は多いし、飛行機も恐い位の彼女だから無理もないか。 でも解る気がする、暑くて、暗くて、興奮を秘めながらも寂しい感じのするハノイの夜だった。 |
7月 23日(日)旅は道連れ世はどうよ! とりあえず、今日持ち出す荷物を梱包しなければならない。 朝からダンボール集めと梱包、買い忘れがないか確認。 劣化を少しでも遅らせるため、 珈琲やお茶はいつも最終日に購入する。 今日は日曜日で、珈琲をお願いしているお店は休みかと一瞬ひやりとしたが、大丈夫だった。 何も考えていなかったのだが隔週の日曜日だったらしい。ちょっとラッキー。 ハンちゃんは今日お友達と会う約束があるので、5時で業務をお終いにする。 その前にダーは買い物がしたいとハンちゃんと出かけていった。私は残りの書類作り。 結局そんなこんなであっという間にお別れの時間だ。戻ってきたハンちゃんは、明日またね!って 感じで帰っていった。 前回は一生の別れみたいだったのに。二人はぽつねんと残されて、しばらくぼーっとしたが、 荷物を下階へ運び出すことにした。 かにさんとまなちゃんが現れて、一緒に晩ご飯を食べましょうと言うことになり、 聞けば他にもたくさん日本人が来る模様。 お迎えに来てくれた子達は、旅行途中のバックパッカーだ。 「地球の歩き方」のメニュー表が必要だというので、私が持ち出した。 大きめのビンザンに座ると、そのメニュー表を使ってどんどんとオーダーしていく。 「この前のアレはうまかったですよね」とかにさんに話しているところをみると、 以前にもここでかにさん達と食事をしているようだ。 人が忙しい間にずいぶん楽しそうなことしてるじゃねえか。 その光景を見て、「こんにちは」やあ、座れ座れで、また一人日本人の男の子が席に入ってきた。 この短期間でなんというネットワーク!後から入ってきたこの青年U君は、なんと18歳。 落ち着いていて、しっかりしている。何と言ってもかわいい。 大学へ進学する前にもっと違う世界をいっぱい見ておきたくて、進学せずに旅立ったという。 メニュー表を巧みに使って、オーダーを取ったり切り盛りしてくれているのは、M君。 大手レンタルビデオ店で働いていたが、長い旅に出たくなって退社、26歳だったかな? それから女の子でJちゃん。会社からお休みを貰って、一人でベトナムを回っている。 ビヤホイを飲みながら大いに盛りあがる。自分が初めて旅に出たときの事を思い出す。 学校から大きな世界に初めて出てきた18歳と、社会に揉まれてそれから旅立った26歳では、 お互いに見える物が違うのだろうな。 どちらが良いとかではなく。私もM君の年に初めての旅に出た。 働いてから旅に出たことはとても良いことだったと思っている。 18歳ではどんな世界が見えるのだろう。 なんだかとても素敵だなあ。社会に出た後、また旅に出て欲しい。 そうやって世界に足を踏み入れることは、誰でも出来る。大学受験よりも簡単に出来て、 でもそこで何かを知ることは大学受験より難しい事なのかも知れない。 知っているようで知らない事。 まずは孤独だ。 それから、主張すること、我慢すること、許すこと、歩くこと。 いろいろな人と出会って、優しい人になりますように。 また、まなちゃんが泣き出した。 今度は帰りたくないと言う。 彼らに必要なくなった薬や蚊取り線香、トイレットペーパーなどを譲って、スコールの中見送られ我々は空港に。 元気でバイバイをした。がんばれみんな! 空港に着くとまたしても意味のない人だかりで前に進めない。 キャスターを取りに空港に入り、2っつゴロゴロしながらタクシーの脇へ、行きたい、行きたいけど進まない。 ひえ〜やっとこさ、ダンボールのヨコへ。そこへ約80kgの荷物を乗せる。 もう1回空港の中へ「シンローイ!シンローイ!」と声をかけて進、全然進まない。 狭い入り口の周りには入る気があるのか無いのかベトナム人でいっぱいなのだ。 両サイドから他のキャスターも近づいてくる。急に流れて、私はキャスターとキャスターの間に足を挟んだ。 ぎゃーという声もむなしく。ホントに少しずつ前進し、ポッと空港にはいるとがらーんとしている。 ああ、もう疲れるったら。チェックインするためにカウンターへ行くと、一人は連番席に座れないと言う。 立って行けと言われれば怒るけど、満席ならば仕方がない。「 OK」と言おうとすると、エライ剣幕で日本人が会話に入ってきた。私たちの前に並んでいた2人連れの夫婦だ。 前に並んだ自分たちに並び席が無いのに、どうして後から来た私たちにあてがえるのかと怒っている。 その物言いたるやすっごい横暴だ。 しかし英語うまいなあ、なんてやりとりを聞いていると、 カウンターの担当がたまりかねたように目を見開き、ああ、言ってしまった「シャラップ!!」 つづく・・・ |
7月 23日(日)おお、こわ シャラップ・・・言ってはいけない言葉だけれど、気持ち的には解る気がするって位、 その日本人の夫婦はあさましかった。 しかし、こういう人だからこそ、敵に回したら面倒くさいんだ。 「言ったな!シャラップと言ったな、おい、わかった、責任者を出せ!社長を呼んでこい!」 呼ばなくちゃいけない人はプレジデントにまで及んだ。 我々は、我々はどうしたらよいのやら、 「申し訳有りません、お客様・・・」と3人並びの席を2人並びにしても良いか、と尋ねてきた。 ここは火が収まることを何よりも望んでしまうところが僕らも一般的日本在住者だよな。 (怒ってるおばあ達は違うって事?同じではないな)ラッキーだったのはこの騒ぎで 我々に対する関心度がものすごく下がった事。 80kgと思っていた荷物は、計ってみたら90kgを超えていた。 しかし、荷物はずるずるとベルトコンベアーに乗って流れていったのでした。 そのうちに、エライと思われる人たちが集りだした。それを後目に、そそくさと我々は先を急いだのだった。 ま、しかし、急いだってここはベトナム。ベトナム空港のいろはのイだけどさ、早く行ったって何にもすることないんだよ。 2時間前には来るように、ってのは国際空港の基本だけど、その通りやってると持て余して疲れちゃう。 荷物が多いから1時間30分前までに入ろうと思ってたけど、死ぬほどお土産買った一般の人でも 乗れる人数自体が少ないから、適当でいいのさ。 なのにもう隣り合わせの席がないって事は、 ほとんどの人がチャックインしちゃってるって事じゃない。 イミグレを通ったら驚いたさ。日本人がいっぱい! いや〜まじめだ。日本人。 ベトナム最後の珈琲を飲みながら(って言ってももうアメリカ臭いやつだけど)さっきの事件について話し合っていた。 と、言うことは誰かがあの人たちの隣なんじゃない?だって譲った席ってわずか残席でしょ。 ダーと私は隣り合わせの席をかにさんとまなちゃんに譲ったんだけど、かにさん達が隣ってせんは濃いね。 なんだかんだ言いながら、隣に来たら「いや〜ベトナム人は失礼ですね!」なんて迎合しちゃったりして。 まなちゃんが聞いてたらしいんだけど、チーフみたいな女の人が「馬鹿ねえ、あんた謝っちゃえばいいのよ、 めんどうなんだから」なんて言ってたらしい。 正しい。 カフェを出て、デューティーフリーに行ったら、やったらご機嫌で、高らかに笑いながら買い物してる奴が居る。 あ、さっきのおばあとおじいだ。 何で機嫌がいいんだろう・・・さてはビジネスを用意させたな! 案の定、エコノミーに彼らの姿はなかった。 世の中怒った者勝ち?! |
7月 24日(月)日本食最高!愛国心炸裂! 関空経由はいいんだけど、このトランジット時間の短さは大問題だ。 私たちは関空で入国審査を受けるために荷物も1回自分たちで引き上げ、税関を通過しなければならない。 世の中全員バックパッカーじゃあるまいし、ツアー旅行者だってお土産いっぱい買ってるし、 あちこちから乗り込み人数が増えてくるんだよ。 この短い時間に入国審査受けて、通関して、 自力で荷物を運んでいっぱい人が並んでる国内線に乗らなくちゃならないなんて。 ベトナムでの待ち時間をここにあてたいよ。案の定、国内線にチェックインしようとたどり着いたのが10分前! 慌てて機内持ち込み荷物をX線検査に通していると、発見、箱が壊れてる。 ベトナムのダンボールってば本当に弱虫なのよ! JALと書いたビニールテープで係員が補修してくれるのを 待っている時間はない。 後はよろしく!さあ、走れ!!ほんとに空港ってとこはいつでも走る運命になってるんだ。 機内に入ると、おおかたの人は揃っていたものの、やはりお年寄りは遅れをとっていた。 けっこう乗り残しがあるらしいこの関空。要注意である。 あっという間に羽田。 荷物を宅配業者に渡して、都営浅草線に乗り込む。 全員少し壊れている。 かにさんはその足で仕事に出かけ、まなちゃんは自宅へ。 我々はさらに電車を乗り継ぎ南行へ。腹が減った。 ものすごーく疲れているのに腹は減る。 中卯で親子丼とそばのセットを食べた。普段小食の私が全部食べて自分でびっくり。 やっと家に着いたら、ダーは仕事に出ていった。あーかわいそう。 私は寝よう寝ようと思うと電話がかかって来て、結局眠れずじまい。明日からは平常通り、営業です。 ◆まとめ◆ ●かにさんの予想を裏切って、モン族は腰みのを付けていなかった。 ●かにさんは、モン族をフン族、ハンちゃんをフンさんと呼ぶ、フン好きだった。 ●まなちゃんが、無くしたと思っていたみそ汁や梅干しはかにさんの家にあった。 ●ダーの日本語による冗談はハンちゃんに通じない。 ●もうしばらく何処にも行きたくない(ハワイとかなら行っても良い) お疲れサンでした。 |
もうけっこう
日記のトップに戻る
[ホームに戻る]
とてもいいので感想を書く