プレゼントの懸賞を当てた人に連れてって貰った買い付け。
人の金を使って行く旅は最高。そしてある意味ツアー最高。



第3回 タイの巻




5月 21日(日)大雨の中彼女との出会い

 
今回は、またしてもある方のご好意で、
安いツアーの空席を代わりに譲っていただいた買い付けである。
安いツアー・・・従って当然のようにお買い物のツアーパックなわけです。
もちろん、そんな買い物に私が行ったってしょうがない。回避です。自然とお腹が痛くなったりしなくてはならない。
同行するのはこのツアーにお友達と行けなくなってしまった「ちーちゃん」。ちーちゃんと私。
実はこの旅行前に2度ほどお食事はしたものの、旅行のためにお食事をしたという間柄。
つまり、旅行前はまったくの他人だったわけだ。
年も一緒だし、美味しい物も大好きだし、彼女もパックツアーには行きたく無いというあたりで意気投合。
彼女は友達にやばい仕事を頼まれていたようなのだが、その辺りのことは忘れました。
さて、キャセイパシフィックの機内食を喰わされるだけ喰わされてバンコク到着。
パックツアーなので、いつものように市内入りするのに足を確保したりする必要がない。
楽だ。お迎えが来ている。
観光お買い物ツアーに行きたくない我々にとって、どんな添乗員が来るのかは重大な問題。
現れたのは60代後半と思われるタイ語を操る浪速のおばちゃん。がーん・・・これ以上の強敵はいない。
しかし・・・何度も何度もこの空港からスタートしているが、こんな天気は初めて。雨季も入りかけではあったが、
バケツがひっくり返るような・・・いえいえプールが壊れたような大雨!
大型バス2台にツアー客は乗り込みレッツゴーホテル。しかし、勉強になりました。
普段パックツアーなんて使わなかったから知らなかったこと。浪速の女王曰く
「みなさん、両替の方はお済みですか?私どものツアーにご参加いただきましたら、
あまりバーツを使う機会は無いとは思われますが、ちょっとした買い物の時などは、
やはり必要になるかと思われます。両替のお済みでない方は、こちらでご用意しております。
1袋1万円です。よろしかったらどうぞ」ちょっと待て。1袋って何?レート、どうなってんの?いくら入ってんの?
ツアーガイドを読んでたらちっちゃく1バーツ=4円と書いてある。
1ばーつよえん?!なんだこりゃ、いつのレートよ。今は多分、2.9円位なはず。
それでも、みんな買っちゃうんだな〜1万円で1袋。
そういえば何故か先に振り込まされた空港使用税は1700円だった。500バーツなのに。
1700円ってどこから来た数字?
それから女王曰く「みなさん、英語は多少でもお話しできますか?タイはタイ語です。
ですのでタイ人はあまり英語が上手ではありません。ホテルでしたら英語で大丈夫でございます。
全然話せないとなるとこれはちょっと、大変でございます。
例えば大きいお金を崩したいとき、これはスモールチャンジプリーズ、でございます。宜しいですか?
スモールチャンジプリーズ」すごい。ツアーって面白いじゃないの。
「明日のツアーにどうしても参加されないと言うお客様はいらっしゃいますか?
この方には書いて頂く書類がございますので、ホテル到着後こちらまでお願いします」あれ?
行かなくていいの?何かペナルティがあるんでは。
なんだかんだでホテル到着。お部屋で手を洗おうとしたら水が出なかった。どうにも出ない。
「出ない」と言ったら騒ぎになった。が、ボーイがすぐ来て軽々と水を出していった。あれ?
そうやってお騒がせな人たちと思われた後、明日のツアーを断りに。
「なんで行かないの?」とばばあ、失礼、女王様。「このスケジュールのツアーって行ったことあるんです」
ふうんってな感じで「それじゃあ、あなた達の自由行動の時間に何があっても私どもは責任を負いかねますので、
ここにね、名前だけでも書いていって頂戴」というので名前だけ書いたら
「ここね、日本語で書いてあるでしょう、じゅうしょ、さんかび、つあーめい、ね、解るわよね。
書けるようだったら書いて頂戴」「クソババア」と即時に心の声は言ったが笑顔で書き込んだ。
目を付けられては面倒くさい。こちとら山の荷物を持って帰るんだ。我慢我慢。
「それではお会いするのは帰りの集合時間になりますから遅れないでくださいね。6:30ね。」と言った、と思う。
だって「え?6:30なんですか?はやっ」って聞き返したし。勘のいい人はもうお気づきでしょうが、これ複線ね。
部屋に帰ると活動開始。雨で一寸先も見えないタクシーに乗って、作り込みのオーダーに行かなくてはならない。
道はすでにチャオプラヤー。このホテル、市内までものすご〜く遠い。超不便。客を閉じこめるためのホテル。
とっても綺麗で居心地はいいので、旅行慣れしていない人は、ずっと部屋にいても満足するかも。
そこがねらいなんだろうな。こちとら交通費ばっかりかかるじゃないの。
タクシーを降りてもざんざん降り続いて、ズボンをたくし上げ、膝から下の水をかき分け進む。うんこ踏んだかな。
目的地その1に到着。雨で閉店。その2まで歩く。寒くて死ぬ頃到着。もうろうとしながら値切って、戻る。
マーブンクロンでちーちゃんと待ち合わせ。私の方が遅くなりそうだったから、
9時まで待って来なかったらホテルに戻っていてね、と言ったんだけど、
9時を過ぎても来ないのはちーちゃんの方だった。
ちーちゃんはタイが2回目で、しかも前回は6年前って言うから心配してしばらく待ってみたけれど、
寒くて絶えられなくなってホテルへ帰る。10分もしないうちにちーちゃんは戻ってきた。
その頃には唇まで青い状態。大の大人が湯船の中でどうやったら全身が早くお湯につかるか、
ごろんごろんしている様はみっとも良いものではなかったが、いつものお湯の出ない宿では凍死していたかも。



5月 22日(月)マダームジュテームコマンタレブー

 
朝ご飯を食べていざ出発。夕方は土砂降りでも、昼間は暑い!雨が降った分だけ湿気に満ちている。
今日はとりあえず自由に歩き回ることにする。遠方まで足を延ばそう。その前に両替だな。
昨日、空港で1万円(1袋ではない)を取り替えてあったので、一応車に位は乗れる。
サイアム周辺にはT/C並のレートで換金してくれるところが多くある。
これが間違ってもカオサンなんかで換えたらえらいこっちゃ。
買い付けはビッグノートで換金することが多いので、レートは大切。華僑のやっている換金屋に行ってみる。
無言。無言で金を差し出すと、無言で返ってくる。なんか悪い事してるみたい。かっこいい。
な〜んて言ってないでちゃんと確認しないとね。確かに、レートは良いみたい。
恐ろしいほどの大枚を抱えて、今日ははじっこからはじっこまで行くぞ。
川沿いの街を歩いていくと、モスクが見える。ターバンが増える。インド人が布を売っている。
道を尋ねてもインドにいる錯覚を覚えてしまうんで、インド人の街で屋台をやっているのはタイ人だ。
ここのインド人はタイ飯を食っているし、タイ語でも喋ってる。そりゃそうかタイだもん。
見慣れた生地たちを多く見かけるので、どうやって何を作るのか聞いたり、素材の混率を聞いたりしながら歩く。
タイ人の小さいおばちゃんのお店に目がいく。ダイダイのワンピースやてろんてろんパンツなんて、
珍しくもないけど、私は結構好きなんだ。夏はやっぱりてろんてろんしないと。聞いてみると、かなり安いし、
在庫も多い。チョイスし始めると、奥から真新しい物を出してきてくれた。
いかんせん、おばちゃんは英語がまったく話せない。
訳の分からない私の嘘タイ語で盛りあがるが、すぐに沈黙が訪れてしまう・・・。
会計して担いでみるとすごい事に。レーヨンっていうのは重いんだよね。もうやる気なくなっちゃう。
暑くって、屋台で一休み。
クイティオナムを食べていると、店のおばちゃんがニッキ砂糖水(これよく飲むが正式名称は何?)を持って
きてくれた。うまーい。もう、氷の心配なんてしてたのは何年前のことだろうか。全然平気な人になってしまった。

10m先くらいの炒め物屋台の方で、ものすごいニンニクと唐辛子を炒めている。
なんともいい匂いがしてくる。が、まるでウェイブのように、近づいてくるのはハクション。
炒めてる鍋が風上だったのだ。
鍋を振ってる人がハクション、の横でインド人がハクション、ジュース屋さんがハクション、
手前のお店のおやじがハクション、ハクション、ハクションほら来た私か?ハックション。
通り過ぎて終わったところでゲラゲラみんなで笑った。タイ人も香辛料でハクションするんだな。
私なんかは馴れてないから、重症。もう止まらない鼻水。

ビルの一角に入るとクーラーが利いていて、気持ちよかったのでそのまま進む。
やる気のないスーパーだ。99バーツコーナーがある。ここ最近199バーツ、99バーツって言う表示を多く見る。
日本で言う980円、1980円ってところなんでしょうね。
ここで自分のTシャツを物色。なんと2枚で99バーツ・・・。
どんどん歩いて、どんどん買っても、所詮女一人ではどうにもたいした量は持てないもんです。
私が転がるほどだろうが、つんのめる程だろうがせいぜい20kgちょっと、持てたらえらい。明日筋肉痛。
そこで一度郵便局へ行き発送することにする。
パッキングしてもらって、予定通りお荷物は日本へ。さて、お昼を食べたらもう一踏ん張り。
こんどは北へ北へ行きましょう。迷路のような露店街を夢中になって歩いていて、
背中が二度目の20kgを思わせた頃、しまった、また雨だ!!
商品が濡れたら何をしに来たのか解らない。とにかく立派なところへ入れ!
飛び込んだ近くのホテルは何だかものすごく良いホテルだった。
100バーツを覚悟で珈琲を頼んだら、うんんまあい。クッキーが2個ついて来ちゃったりして。
雨宿り、暇で間が持つかななんて思っていたら珈琲が旨かった事ですっかり有頂天になり、
隣のアメリカ人とくだらない話をしてたら、ちーちゃんとの待ち合わせに危なくなってきた。
でかい荷物は注目を浴びながら、ホテルの玄関へ。こんな時、高級ホテルはものすごく使える。
土砂降りの中、自分で車を拾わなくて済むんだから。ドアボーイが扉を開けてくれる。係りの人が指を一本上げる。
これタイのシステムなんだけど、ホテルの前を通るタクシーは、みんなホテルの玄関先をちゃんと見ていて、
ホテル側がタクシーをいちいち呼んだり抱えたりしなくても、すぐやって来るの。
でも突然の雨でなかなか空車はない。「マダム、ホテルカーを出しましょうか?」
聞けばホテルカーは400バーツ。私が行きたいところは、どんなに渋滞してたって45バーツ程度の所だ。
諦めて、歩こうか・・・。と思ったら流しのタクシーが入り込んできた。
無事にちーちゃんと合流して、晩ご飯も食べられた。
思い違いの所へ連れて行かれちゃったけど、疲れていたからもういいや。
うまいうまいで最後にアイスを食べたら、また激寒。ぶるぶる震えるバンコクの夜はまだまだ続く。


5月 23日(火)豚のしっぽとタイの良心

 今日は、このHPにもリンクされている犬小屋の主人、犬ちゃんに会う。
かれこれ結構長い付き合いなのに、会ったことがない。
それというのも彼女はバンコクに在住しながら各国を渡り歩いているので、なかなかタイミングを逸して
しまうのである。その前に、ああ、仕事仕事。今日向かう市場は、これまた私のホテルからは遠くて、遠くて。
途中、マーブンクロンに寄って、6969番当選CDを買い、さらに嘘ぺこちゃんTシャツ(ほっぺが青い)と
サイドのラインにキャンディキャンディのセリフの入ったジャージを自分とダーのお土産に買う。
「キャンディはだからアンソニーと仲良くなれると思った」とか書いてあるが、’アンソニー’は字が逆さまだ。
いけている。今タイでは日本語がバカあたり。何にでも書いてあるけど、めちゃくちゃ。
これが一番楽しいのは多分日本人だ。マーブンクロンのスナックプラザで昼食を取って
(これがけっこういける)タクシーで市場へGo。その後もう1件、菓子折持って行かなくちゃならんところがある。
この市場は単純な作り、なのに迷ってしまった。余計な買い物もしてしまって、お金もなくなってしまった。
荷物を持って菓子折持って、いつも世話になる卸元に到着したときには、
時間もお金もないただのヒッピーだった。大丈夫、ちょっと待っててね。急いでATMに走る。
でも、頼みの綱のワールドキャッシュカードが、何故か使えない。なななななんで!
何処のATMに行っても読み込まれない。つい先日日本では読み込めていたのに・・・。
現金は使い果たしたところで、30Kg近い荷物を送るお金さえ無くなってしまった。
ちょっと頭が真っ白になる。菓子折持ってるっていったって、そりゃねえだろうっていうお願いを。
この卸元さんに全部の荷物を送ってくれるように頼んだ。酷いよな。
お金無いから、このお店ではほとんど買い物していないのに。さすがに相手も顔が歪んだよ。
でも事情を説明して、お金が振り込まれてからの発送でいいから、と言ったら、
友達だから、いいよって言ってくれた。うえーんありがとう。ってお礼を言いながら後ずさってる位
もーう時間がない。犬ちゃんと、ちーちゃんと待ち合わせだ。
今回、犬ちゃんからは痩せる飲み物を購入する予定で、これまたビジネスも絡んでいるし、
なにせ初めて会うのに遅刻はだめだろう。
急いでタクシー!待ち合わせのBTSの駅に着いた頃、バンコクは一日の仕事が終わり
ラッシュアワーに入ったところだった。だから結局犬ちゃんが動けなくなって、あんなに時間がなかったのに
1時間も待つという事態になった。疲れていたから、待っている間もボーっとしてて、
なんだか休憩時間みたいだったけど。渋滞に腹を立てていてはバンコクでは暮らせない。
やっと合流して訪れた食堂はイサーン料理のお店。
豚のしっぽ(三角にとんがって)アヒルのくちばし(頭が横にまっぷたつ)イサーン鍋、
生のエビを辛いたれで暴れ死にさせて食うやつ、等を戴く。どれもこれも美味!!
レアなバンコク話や、いろんな悪口も美味だった。ちょこっと帰りに犬ちゃん家に寄って、商談をまとめ、
ATMにもう一回、今度は犬ちゃんに付き合って貰って行ってみた。
もう夜も9時を過ぎたが、バンコクのATMは24時間やってるんだな。やっぱりカードは読み込まれない。
堪能なタイ語と英語で犬ちゃんが詳細を尋ねてくれたところ、やはり磁気が悪いらしい。
なんだよワールドキャッシュ。外国行ってからじゃなきゃそれがわかんないなんて問題有り有りだ。
おのれ、借金や持ち帰れなくてかかる余計な経費をどうしてくれるだ!
しかも私にはもう1件、作り込みの発注かけているところに行って精算しなくちゃならない用事があるのに。
金無しでどうやって持ち帰るんだよ。でもとりあえず行かなくちゃ。約束の10時は近い。
なんでいつもこんなに時間がないの?不安な気持ちでテーラーに着くと、なんと、寝ていた。
「あれ〜ままか、なんの用だい?」ってな感じ。私のオーダーは難しかったから出来てないよ、だって。がーん。
タダで帰れないよ、なんか出せ、物色させろ。いろいろいじくってたらみんな起きてきた。
予想外の来客に、16才から17才の兄弟達は興奮し、修学旅行状態。
ぎゃ〜とか言いながら、新作をどんどん持ってくる。忘れてた、私お金無いのよ。
ごめん。って言うと、何言ってんの、いいよいいよ、あとで送って、だって。うわ〜んありがとう。
でも送金手数料って高いのよ。くそ〜ワールドキャッシュ。お前が払え。
そのうちパパやママも帰ってきて、またひと盛り上がり。金もないのに買い物に来て、さらにお土産もくれた。
ああ、君たちはタイの良心だ。
ホテルに帰って、貰ったマンゴーを囓る。雨季にはやられたが、この時期の果物は本当に旨い。
すでに時は夜中の3時。明日は6:30出発だ。早く寝るとしよう。



5月 24日(水)青い三角定規

 
目覚ましは5:50分、しっかり起きて支度を開始する。
浪速の女王に文句を言われたくないので、ことごとくきちんとしたい私だった。
6:00に電話が鳴る。モーニングコールを女王が頼んでいたのかと思ったら、
いきなり日本語、女王の下部からで「すいません、バス出ますけど、まだですか?」ってはあ?
「出発って6:30じゃなかったですか?」というと「6:00です」なんですと?!
急げや急げ、チェックアウトもしなければ!レセプションに降りていくと、
私たちの前にまだ精算している若い3人組がいる。私は聞き逃さなかった。
彼らも「出発って6:00でしたっけ?」と下部に聞いていた。
予想するに、ツアーに行かなかった人たちはやっぱり6:30って聞いてるんじゃないか?
女王は何か勘違いしたのか、予定が変わったのか知らないけど、ツアーに行った人たちには
正しい情報が伝えられていて、行ってない人たちには古いか、間違った情報のままだったのでは・・・。
約20kgはあると思われる荷物を担いでバスまで走っていると、
女王が「あらあら、何を買ったの?何をそんなに買ったの?!持ち込める重さなの?!重そうだわよ〜!」と
まくし立ててくる。後ろに聞いてとにかくバスに乗り込んだ。その後ゆっくりと女王はご乗車になって、マイクを持ち、
エブリバディに「若い人はね、遅れるのよ」と言った!むっっっっか〜。
その後、月並みなご挨拶をしながらも、まだ嫌みは続く。
「先ほど遅れたお客様はね、6:30の出発だと思われていたんですって。・・・人の罪は自分の罪。
きっと私の言い方が悪かったんでございましょう、私からお詫びさせていただきます」あらら、芝居入っちゃって。
あんたもう1回なんか言ったらチョップじゃ済まさない。そんな空気で空港まで楽しいご歓談タイム。
浪速の女王は、近くの席に座るご家族と話していて、「お父さん、血液型何型?」と質問している。
お父さんってお前より全然若い人捕まえて、なれなれしく呼ぶな。お前みたいなばばあの娘持った覚えねえ。っと、
お父さんは心で思っていたであろうが良い人だったので「A型です」と言った。
すると女王は「あらっダメダメダメダメA型!は!あ〜だめだめ」と首をぶんぶん振って、手をぶんぶん振って
完全否定の姿勢。何事か、何がいけないのか、ご家族はびっくりしてその答えを待っていたが、
奴は一人悦に入っちゃってなかなか教えてくれない「タイはね、O型が70%なんですよ。だからA型はだめ。
とっても住めない」住まなくたっていいよ。なんだお前その態度。
「私はね、O型なんですよ〜」ちが〜う、お前はな、三角だ。人間の型じゃない。わかったぞ三角だ。
小さい声で反撃する私の意見はちーちゃんにも賛同いただいた。三角だ、とちーちゃんも言った。そうだそうだ、
だって目尻のしわがたるんで目も三角になっちゃってるもん。
言ってるうちにドンムアンの高速入り口近く、何故だかバスが停まって人を乗せた。
乗って来たのは20才くらいのタイの女の子。
「彼女写真屋さんです。皆さんのツアー中の、集合写真やスナップ写真が出来ましたので、
宜しかったら旅の記念にお買い求め下さい」ひえ〜集合写真以外に隠し撮りまでされるのかい?
「こまかいのが無い方はここに1袋・・・」もういいよ。袋金。「おつりは皆さんちゃんと貰われましたか?」
バスは程なく停まり、写真屋の娘はバスを降りていった。「写真屋さんの彼女O型なんで、おおざっぱなんですよ、
この前もお客さんにお釣り渡すの全員分忘れちゃって、空港着いてからお客さんがそう言うもんだから
びっくりしちゃいました。はっきりとそこでものが言えないとね、ダメなんですよ。
そう言えばそのお釣りまだ貰ってませんねえ、受け取ったら送りますって言ったんですけど」
そのお客さん達に、お釣り渡さずに帰しちゃったわけだ。お前が立て替えて払っておけばいいだろう。
何はともあれドンムアン。空港使用料の券を受け取りに、三角の所へ行くと、少し言いすぎたと思ったのか、
「あら、素敵なカバンね」と媚びてきた(近日発売)わたくし、苦手となると、こんなに普段よく喋る人なのに、
うまく声が出なくなる。本人の居ないところで悪口言わせりゃ日本一だけどさ。何話したんだか覚えてない。
そうそうに立ち去った。やれやれ浪速の三角。この買い付け一番の思い出深い人だった。
みなさんにも是非会っていただきたい。不愉快、という言葉のよく似合う女、三角。さよなら三角、また来て四角。
キャセイパシフィックほあぐら製造航空に乗って、東京税関の待つ成田に向かったのでした。おしまい




もうけっこう
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